お知らせ

News

インタビュー

芸歴10年、職歴なしーー「絶対落ちる」と思っていた35歳の元芸人が、初めての面接で一発合格した理由【元ウメボシエンジン・岡慎太郎さん】

夢を追いかければ追いかけるほど、一般企業への就職のハードルは高くなるーー。

そんな思い込みから「今さら就職なんてできない」と、会社員への一歩を踏み出せない方は多いのではないでしょうか。

今回お話を聞いたのは、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属し、コンビ「ウメボシエンジン」として活動していた元芸人・岡慎太郎さん。2019年3月の解散後、ハローワークを利用して就職活動を行い、初めての面接を一発クリア。SALES ROBOTICS株式会社に入社し、営業支援の業務に携わっています。

“職歴なし”だった岡さんが面接をクリアできた理由とは? 「昔から人の縁には恵まれるんです」と話す岡さんと人事部の渡邊さんに、運だけではない合格の理由を聞きました。

<プロフィール 岡 慎太郎さん>
2008年に福島から上京。東京NSC14期生。よしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属し、2019年3月までコンビ『ウメボシエンジン』で芸人として活動。ハローワークを活用して同年9月にSALES ROBOTICS株式会社に入社。現在はインサイドセールスセンターのコンサルタントとして、クライアントの営業支援を行う。

(左から、SALES ROBOTICS 取締役CSO・有馬さん、岡さん、芸人ネクスト・古崎)

 

毎月1分のライブに出られるかどうか

ーー芸人を目指したきっかけを教えてください。

岡さん:もともと人を笑わせることが好きで、クラスでも笑いを取ることで“お笑い担当”としてのポジションを保ってきた人間でした。

芸人を目指すようになったきっかけは、高校の文化祭です。これ、本当の話なんですけど、全校生徒の笑いで、地面が揺れたんです……! 校舎が壊れるんじゃないかと思うぐらい、ドーンと振動がきて(笑)。

それまでの僕は、目立たない普通の生徒でした。それが、文化祭を境にガラッと世界が変わって、学校中のいろんな人から話しかけられるようになったんです。「お笑いをやると世界が変わるんだ」と感動しましたね。

ーー高校卒業後はすぐに養成所に入ったのですか?

岡さん:それが、大学に行けば現実が見えるのかもしれないと思って、一度進学したんです。でも、3年生になって周囲が就活をはじめるなか、自分はなかなか動き出せなかったんですよね。「やっぱり芸人になりたいんだな」と気づいてからは、大学を中退してお金を貯め、24歳で地元の福岡を出てNSCに入りました。

ーー2019年3月までの10年間、ウメボシエンジンとして活動されましたが、どのような10年間でしたか?

岡さん:なかなか結果は出ませんでした。ピラミッドでは本当に下の方だったと思いました。ひどいときは、月1回の1分のライブに出られるかどうかという状況でした。

年齢を重ねるにつれて、人前でネタをすることには慣れてくるんですが、才能のある後輩が下からどんどん入ってくるので、結局行ったり来たりで。

そんな状況だったので、相方と相談して、10年を1つの区切りとすることにしました。最後の年は自分たちなりに頑張って結果が出なかったので、辞めたというわけです。

ーー切り替えはすぐにできましたか?

岡さん:やりきったので、切り替えはできました。昔はバラエティ番組を見ながら、「こんな風に喋れば良かったのか…」と落ち込むこともあったのですが、今は普通に楽しみながら観ることができます。そういう意味では、変なフィルターは外れたのかもしれません。

 

面接が終わった瞬間「じゃあ次も」

ーー就職活動にはハローワークを使ったそうですが、どういった経緯で利用したのですか?

岡さん:ハローワークがバイト先の近くにあったので、「就活=ハローワーク」しか浮かばなかったんです。何もわからない状態だったので、マンツーマンの就職相談をしたところ、個別面接会が開かれると聞いて。面接は場数が大事だと担当者の方にも言われたので、絶対落ちると思ったんですけど、とりあえず行ってみることにしました。

ーーそこでセールスロボティクスさんの面接を受けたのですか?

岡さん:そうです。

ーーということは、いきなり1社目で面接を突破し、内定を掴んだということでしょうか?

岡さん:そうなんです。面接が終わるとすぐに「じゃあ次も」と言ってくれて。そのスピード感に驚いたのと、面接初めてなんですと伝えたときに、「慣れているかと思いました!」と言われて、認めてもらっている気がして。それで僕もだんだん気になり始めました。

ーー面接を担当された渡邊さんは、岡さんにどんな印象を持ちましたか?

渡邊さん:すごくスムーズにお話になるので、営業をされていた方かと思ったんです。履歴書を見て「おや?」と思いましたが(笑)、営業未経験でこのトーク力。しかも弊社の社風に合いそうだと思い、すぐに現場マネージャーに会ってもらうことにしました。

古崎:私は自分自身が元アイドルで、就職活動するときに書類選考でたくさん落とされたのですが、セールスロボティクスさんは過去の経験ってあまり見ないのでしょうか…?

渡邊さん:いや、基本的には見ますよ(笑)。でも、いい人がいれば、今後のポテンシャルを重視して進めるようにしています。

そもそもハローワークの個別面接会は未経験の方が前提だったので、面接中に業務内容をお伝えして、齟齬がないように確認しながら進めていきました。その結果、岡さんは当社でやっていけそうだということになり、採用することになったんです。

ーー御社はハローワークの個別面接会はよく利用されていたのですか?

渡邊さん:それが、今回たまたま参加させてもらったんです! だから岡さんが受けにきてくれたのは、本当にタイミングがよかったと思います。

岡さん:自分は芸人時代から運だけは良くて、人の縁に恵まれるんです。たまたま飲み会でやらされたギャグが作家さんの耳に入って、ライブに出れるようになったことがあったり。周りからチャンスを与えられているなと感じることは多かったんですよね。運が実力のうちなら、自分は実力の塊だと思いますよ(笑)。

 

垣根のない社風。「人間関係では全く困っていない」

ーー面接で合格したとはいえ、社会人として働くことに不安はありませんでしたか?

岡さん:不安でした。まぁまぁ年がいっている職歴のない元芸人が入社するとなったら、周りも絡みにくいじゃないですか。「どう扱えばいいんだ?」ってなるはずですよね。でも、セールスロボティクスでは全くそんなことがありませんでした。

面接の段階で、柔らかいフレンドリーな雰囲気だなとは思っていたんですけど、いざ入ってみると、「こんなに垣根がないのか!」と。ありがたいことに人間関係では全く困っていないです。

ーー岡さんは今どんな仕事をしているのですか?

渡邊さん:弊社はクライアントが行う営業の一連の流れのうち、前段階を代行するサービス(マーケティング支援〜インサイドセールス業務)を提供しています。クライアントの営業担当者様が時間をかけたい営業活動に100%集中できるよう、弊社はターゲット企業調査やインサイドセールスなどの業務をお任せしてもらい、電話等でヒアリングした情報をクライアント企業様にお渡ししています。

岡さんはコンサルタントになるための修行段階として、現在はインサイドセールス業務という、「クライアントのターゲット企業にお電話して、情報収集する業務」を担当しています。

ーー実際に働いてみていかがですか?

岡さん:自社の業務内容だけでなく、クライアント企業様の業務内容も理解する必要があるので、勉強することはすごく多いです。必死ですよ(笑)。

特に課題に感じているのは、トークシナリオを守らなきゃと思って、語り口が硬くなってしまうことです。周囲の人たちは「普段の感じでやればいいじゃん」と言ってくれるのですが、なかなか難しくて……。ノリのいいお客様の場合は攻めていくこともありますが、今は自分の営業スタイルを模索している最中ですね。

渡邊さん:岡さんは実績を出さなきゃと一生懸命やってくれています。今後はより上の立場でコンサルタントとして活動してもらうために、まずは現場の経験を積んで、お客様の課題を捉え、何を求めているのかを見越して提案ができるようになってほしいと思っています。

古崎:なかなか大変そうですね(笑)。芸人時代は会社員という存在について、全くイメージが湧かなかったのではないかと思うのですが。何が一番想像と違いましたか?

岡さん:数字がついてくることです。自分が今、どのくらいの位置にいるかがはっきり見えるんです。ビジネスパーソンはどれだけ頑張ろうが、結果を出さなきゃいけません。「頑張りました」じゃ許されない世界だなと。

古崎:お笑いよりもシビアですか?

岡さん:シビアかもしれません。芸人時代は「夢を追いかけてすごいな」とビジネスパーソンの友人に言われたこともありましたが、実際自分が社会人になってみると「いやいやいや!あなたたちの方が!めちゃくちゃ厳しいじゃないですか!」と(笑)。働いている人たちがすごく輝いて見えました。ビジネスパーソンはかっこいいですよ。

 

笑いはどこの世界でも必要。舞台に出るつもりで胸を張って

ーーお笑い芸人からの転職支援サービス『芸人ネクスト』についてどう思いますか?

岡さん:実際に仕事で使う知識を学べるのは素晴らしいですね。実際にワードやパワーポイントは業務で必要ですし、0と1って全然違うじゃないですか。一回やったことはどこかに残るので、面接前の不安をつぶす大事な要素だと思います。

そもそも自信がないと面接って通らないような気がします。自分は何社も突破したわけではありませんが、「ここは俺のステージだ!」と思って堂々とやるしかないと思っていました。

古崎:芸人を辞めて就活を検討している方とたくさんお会いしているのですが、ほとんどの方が自信をなくされています。なかなか次を考えるのが難しいみたいで……。

岡さん:夢を追いかけていたわけですから、諦めたときは、それは落ち込みますよね。自分もそうでした。

でも、夢を追いかけた人って、一度自分の可能性を信じた人だと思うんです。だったら、もう一回信じてみることだってできるはずですよね。そのために、芸人ネクストさんを利用してみるのがいいんじゃないでしょうか。自分も芸人ネクストの存在を知っていたら、きっと相談していたと思います。

ーー最後に、就職を検討している芸人の方へ、メッセージをお願いします!

岡さん:笑いってどこの世界でも必要なので、笑いのスキルがあるのなら、胸を張って「元芸人」を名乗っていいと思います。職歴には書けないかもしれませんが、人生の履歴書には必ず残りますから。胸を張って面接に臨んでほしいです。

それに、芸人は面白いことを見つけるのが得意な人だと思うんです。大変なことの中にも、面白いことは転がっています。もしかしたら、芸人時代には見つからなかった面白さを見つけられるかもしれません。そんな前向きな気持ちで、次のキャリアに挑戦してみてはどうでしょうか。自分もここで精一杯頑張ります!

ーー岡さん、渡邊さん、ありがとうございました!

(取材、文、写真・一本麻衣

お問い合わせはこちら