インタビュー
【芸人のセカンドキャリア】元お笑い芸人は雑談の質が違う『てっくとっく』平松玄也さん 〜入社2年目で予算達成率最大137%以上を出す理由とは?〜
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元お笑い芸人は入社前から「自分で自分を営業する力」を兼ね備えている。11年間お笑い芸人として数々のステージに立ち営業職に転身したのは、エルズサポート株式会社の平松さん。なんと、入社2年目で予算達成率137%以上という成果を出しています。その理由は芸人時代に培った雑談力、空気を読む力、観察力の「質の高さ」にありました。どのようなプロセスを経て成果につなげたのでしょうか。採用担当・上司の中川さんを交えお話を伺いました。
<プロフィール>写真
右下:エルズサポート株式会社 首都圏営業部1課 課長 中川 貴文 様
左下:エルズサポート株式会社 首都圏営業部1課 平松 玄也 様
左上:株式会社俺 代表取締役 中北 朋宏 様
右上:株式会社俺 杉山 遼介 様
元お笑い芸人は雑談の質が違う
入社2年目で予算達成率最大137%以上を出す理由
「よく芸人は雑談力や空気を読む力があると言いますが、すごいのはその質の高さ。彼が予算に対して100%以上の成果を出せているのは、元お笑い芸人として培ってきたスキルやマインドを存分に発揮してくれているからだと思います」
そう語るのは、元お笑い芸人の平松 玄也さんを採用した、アパートやマンションなどの賃貸住宅を借りる際に必要な連帯保証人を代行する家賃債務保証事業 を手がけるエルズサポート株式会社の中川貴文さん。
11年間の芸人生活を経て、現在は営業職として活躍する平松さん。芸人時代に培った経験がどのように成果に結びついているのかお話を伺いました。
──営業として入社して2年目、現在どのような成果が出ているのか教えてください。
平松さん:直近の2021年4月〜6月は、目標の予算に対して100%以上達成することができました。4月は114%、5月は137%、6月は116%です。一から自分でアポイントを取って受注したお客様から「コロナが落ち着いたら飲みに行きましょう」と誘ってもらえたときは嬉しかったですね。芸人の仕事と同様、人のつながりを感じられるのが営業職の魅力だと感じています。
──100%以上の目標達成率、お客様との関わりともに、素晴らしい成績ですね!ご自身では元お笑い芸人時代のどのようなスキルが身についていると思いますか?
平松さん:雑談力、空気を読む力は活きていると感じます。芸人時代は、性別・世代問わずいろいろな方と関わってきました。どうしたら相手の懐に入れるかは常に考えて商談しています。
──具体的にどんなところを意識しているのでしょうか?
平松さん:身につけているものはよく見るようにしています。高級な時計やバッグをお持ちの方であれば、後輩気質な自分を出して可愛がっていただけるよう工夫をしたり、スポーティなファッションの方であれば「休日ランニングとかしているのかな」と想像して雑談につなげたり。相手の話すスピードでもコミュニケーションの取り方を調整していますね。
上司の中川さん(以下、中川さん):どこで、どう笑いに変えていくのか?常に考えている元お笑い芸人の観察力はすごいですよ。雑談一つとっても、良い雑談・悪い雑談ってあると思うんですが、平松くんの雑談は極めて質が高い。場や相手に応じて、空気を読むことも、自分をアピールすることもできる。一長一短でできるものではないので、彼の11年間の芸人人生の賜物なんじゃないかと。社内の他のメンバーと比べても群を抜いていますね。
──上司である中川さんも平松さんの元お笑い芸人としての強みは感じられているのですね。
中川さん:あとは度胸、根性がありますね。芸人として売れない時代は「チケット買ってください」と路上で声をかけ、何枚も何枚もビラを配る。そうやって自分で自分を営業する力は、入社前からすでに兼ね備えているんだと思います。
6ヶ月連続目標達成に貢献
「負けたくないという反骨精神」が生み出した成果
──特に度胸、根性があるなと感じた場面はありますか?
中川さん:一時営業から離れて、家賃の督促を電話で行う部署に配属になったときのこと。架電数が多い人で一ヶ月で1000件のところ、平松くんは1200件かけ、6ヶ月連続の目標達成に貢献してくれました。
──すごい……!目標達成した要因に元お笑い芸人のスキルは活きていたのでしょうか?
平松さん:ネタづくりの経験が活きました。ネタづくりは、最後の「オチ」をより面白くするために逆算して話を組み立てます。それは電話をかけるときも同様。どうしたら相手が「YES」と言ってくれるか、ゴール(最後の落ち)を決めた話の組み立てを意識しました。
家賃が遅れている状況に無理にお支払いを促すと相手が感情的になってしまうこともあります。それでは逆効果。どのタイミングでお支払いを促すべきか?電話口の相手の口調や様子を汲み取って話を展開する力は、芸人時代に培ったものですね。
中川さん:家賃の督促の電話を掛けることはかなりきつい仕事なんですよ。加えて女性メンバーの中にいきなり男性一人配属されて、やりづらい部分もあったと思うんです。それでも誰より動いて結果を出した。持ち前のコニュニケーション力でチームメンバーを巻き込みランチ会も企画してくれました。結果、平松くんのおかげで職場も良い雰囲気になりましたし、社内でも「あいつ、根性あるな」と話題になっていましたね(笑)。
──平松さんの中で、何が原動力になっていたのでしょうか?
平松さん:負けたくない、という反骨精神です。「芸人だからやっぱりこいつできないな」と思われるのは悔しい。芸人だってできるんだぞ!という強い気持ちが原動力になっています。
とはいえ、目標達成はしましたが正直かなりきつかったです(笑)最初からできたわけではなく、架電数が多い人にやり方を聞きに行ったり、その人の隣で架電をしたり。専門知識がなかなか覚えられないときは、ネタづくりのようにストーリー仕立てで頭に入れてみたり。小さな努力は欠かしませんでした。新卒の子と比べたら年齢もかなり上ですし、後が無いのでとにかくやるしかないという気持ちでがむしゃらにやり抜きました。
──上司の中川さんに、元お笑い芸人を採用・育成するときに意識されていたことを伺いたいです。
中川:社会人未経験から入社するにあたって、ぶつかる壁も多くあります。パソコンの使い方からビジネスマナー、専門知識など。覚えることもやらなきゃいけないこともたくさんある。
育成する上で特に意識していることは、自尊心を傷つけないこと。「芸人をやり抜いた」という経験は否定しないようにしています。人生をかけてやってきたことをスパッと辞めて、違う世界に飛び込めるってすごいことですから。やりきった経験を否定しないことは大事だと思っています。
元お笑い芸人は、営業職の配属がいいと思いますね。お客様の懐に入るのが得意ですし、職場が暗いときも盛り上げてくれる。人と人をつなげる、人の心を掴むスキルは、誰よりも秀でていると思います。
──最後に、平松さんのこれからの挑戦を教えてください。
平松さん:地元である名古屋の支店長を目指しています。入社時から変わらず掲げている目標です。地元を盛り上げたい、地元の数字を伸ばしたい。やっぱり目立ちたがり屋なんですよね(笑)。期待してくださっている中川さん、支えてくださっている職場のみなさんに恩返しできるよう結果を出していきたいです。
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