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【芸人のセカンドキャリア】 手厚い転職支援で、芸人時代に培った「強み」を転職に活かすことができた『しんぷる内藤』内藤慶さん ~「自分で自分の価値を下げるな」というアドバイスが転機に~

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[スピーカー]
内藤 慶さん (※写真左上)

株式会社 俺
代表取締役社長
中北 朋宏 (※写真右上)

株式会社 俺
杉山 遼介 (※写真中央下)

― お笑い芸人を志したきっかけを教えてください。

内藤さん:大学生の頃、お笑い芸人の方がやっている深夜ラジオを聞いて投稿したり、テレビでバラエティ番組を見たりして 、純粋に自分もお笑い芸人の仲間に入りたいと思っていました。お笑いを仕事にしてお金を稼ぐということがカッコいいなと思い、大学卒業後に芸人を目指しました。

― お笑い芸人の時はどんな活動をしていたのでしょうか。

内藤さん:人力舎に所属し6年間ピン芸人として活動していました。一人でコントやリズムネタなど、結構幅広くやっていたと思います。今振り返ってみると、9割がキツイことでした。残りの1割が、テレビに出て著名人に会ったり、普通の人生では経験できない濃縮な体験をしたりする ことで、そのキツイ9割を乗り越えていたように思います。

― お笑い芸人を辞めようと思ったきっかけについて教えてください。

内藤さん:お笑い芸人を始めた時に思い描いていた「ありたい姿」があったのですが、そこに対して30歳の自分が全く達していなかったことが大きかったです。この先、どんどんその差が開いていくのではないかと思うと、モチベーションも上がらず妥協している自分もいて、そういう自分が嫌になり辞めた方がいいなと思い辞めました。正直、決断する前はとてもつらかったです。いつも何かに追われていて、誰かに試されているような気がして自分で自分を追い込んで苦しくなっていました。辞めると決めたことで、気持ちを新たな方向に切り替えることができました。

― 辞めてすぐに転職しようと思ったのでしょうか?

内藤さん:選択肢として転職をして普通に働くか、作家になるかという2択がありました。しかし、自分の中で芸人としてアイディアを出すという熱量が下がっていたこともあり、作家は今の自分にはできないなと思い、180度方向転換をして第二の人生として「働く」ということを決めました

― 株式会社俺を知ったきっかけについて教えてください。

内藤さん:「芸人 転職」で検索すると株式会社俺のホームページが一番上に表示されました。僕は正直、30歳で職歴がない自分が普通の転職エージェントに登録しても就職できないものと考えていました。なので、芸人に特化した転職支援を行っている株式会社俺に登録してみようと思い連絡しました

 

過去の体験の中に、必ず「夢」や「やりたいこと」 につながることがある


― 芸人ネクストとして、内藤さんにどのような転職支援をしたのですか?

(Step1:初回面談) 

杉山:初回面談の目的は、2つあります。1つ目は問い合わせ頂いた芸人さんの不安の払拭です。芸人として夢を諦める決断をすることと芸人ネクストへ問い合わせることは不安も多く勇気のいる行動だと認識しております。そのため、まずは問い合わせ頂いた背景や転職に関する不安をお伺いすることからしております。
2つ目は、芸人時代の活動や転職に対する要望をもとに転職後の活躍イメージを持って頂くことです。初回面談の冒頭では、多くの芸人さんが自身の芸人時代の経験が仕事で活かせるのか?といった不安を感じています。そのため芸人時代に培ってきた経験をお伺いし、ビジネスの世界で活かせるイメージをお伝えしています。そして、面接が終わった段階で本気で転職活動を頑張っていこうという意気込みを持って次のステップに進んでいただきます。

内藤さん:どんな企業を紹介してもらえるのか、僕が働ける会社があるのかという不 安がありました。しかし、お笑い芸人からの転職事例をいくつかご紹介していただき 、紹介企業がリストアップされたものを見て安心してお願いしても良いなと思いました

(Step2:パソコン練習)

杉山:まずはどの企業もWordやExcel、PowerPointを使いますので、パソコンスキルの基礎を身に着けてもらいます。Wordで職務経歴書を作る、Excelで経費精算を入れる、PowerPointで自己紹介を作ってもらうなどの課題をお出しして実践してもらいました。内藤さんに作っていただいたPowerPointの自己紹介はかなりクオリティが高くて驚きました。タイピングもできていたのですが、ビジネスマンとして通用するために少し練習をしてもらいました。

内藤さん:大学や芸人時代もネタはパソコンで作っていたので、比較的ここはすんなりできたなかと思っています。ただ、Excelなどは使ったことなかったので、自分で本も買って勉強しました。

(Step3:モチベーション曲線)

杉山:これを書く目的は、内藤さんが芸人さんからビジネスマンになるうえで、ビジネスの世界でどんなことをやりたいのか、やりたいことを見つけていくためです。お笑い芸人をやられていた方のほとんどが、やりたいことがなくなってしまったと悩んでいます。過去の自分がどんな時にモチベーションが上がったのか、または下がったのかを知ることで、自分は何が好きで嫌いなのかを見つめていきます。内藤さんにも、これまでの人生を幼少期から振り返っていただき、モチベーションが高い時と低い時の出来事を洗い出してもらい、一緒に深掘っていくことをやりました。そうすることで、自分の特性や傾向が明確になってきます。

内藤さん:自分の人生を振り返ることで、自分がどういう考えで行動していたのかが自分でもはっきりと可視化することができました。新しい発見もあったりして、やってみてとても楽しかったです。

中北:深掘る時は、特に幼少期についてしっかりと聞きます。例えば親にどんな言葉をかけられて育ったか、またコンプレックスは何かも聞きます。そこにやりたいことに紐づいた背景が隠れていることが多いからです。「好き」は夢につながって、「憤り」が志につながるという言葉もあるように、夢ややりたいことにつながることが、その人の過去の体験に必ずあります

 

自分を振り返ることで、転職活動の目標が明確になった


(Step4:業界理解)

杉山:芸人さんがいざ転職する時に、いろんな業界がある中でどこに就職したら良いのか、ご自身で判断できないケースも多いです。また、コロナなどの影響で伸びている業界や落ち込んでいる業界があるので、そこをしっかりとお伝えしたうえで希望の業界を決めてもらいます。業界地図という本をお渡しし読んできてもらい、何となくでも良いので興味のある業界を10個ほど選んできてもらいます。選んできてもらった業界について、さらに詳しくお伝えしていきます。

内藤さん:業界理解をやるまでは、ほとんど無知でした。そこで、コンサルティング業界というものがあることを初めて知り興味を持ちました。モチベーション曲線から見えてきた自分の特性なども踏まえて、自分の強みが活かせるのではないかと思えた業界だったので、業界理解をやることで転職の目標を明確にすることができました

(Step5:企業選定)

杉山:ご紹介できる企業が100社以上ある中で、業界を絞りさらに内藤さんが受けてみたら良いと思う企業を30社に絞ってリストをお渡ししました。このステップに来るまでに週1回ほど面談を行って密にやり取りしているので、こちらも内藤さんの志向に合うものが見えてきます。なので、ある程度絞ってお渡しするようにしています。

自分の長所や好きなことを話す時の熱量で、「暗い」自分を補った


(Step6:面接練習) 

杉山:ここは最も重要なステップで、とにかく練習を数多くやることが必要です。内藤さんは最初の頃と、最後内定をもらった時とでは大きく変化された方の一人です。第一印象は、ちょっと暗い印象が強かったので、そこを改善しつつ話す内容や熱量という点にも注力して練習を行いました。

内藤さん:正直、自分の中では最後まで「暗い」という部分はなくなりませんでした。どうしても誇れるものがなく自信のなさが暗さに直結していたのだと思います。しかし、できるだけ自分の長所や好きなことを話せるように話を持っていき、そこの密度を濃くすることで「暗い」ことを補っていました

中北:そもそも内藤さんは明るいことが売りのタイプではないので、無理に明るくする必要はないのですが、「暗い」の本当の意味は発言がネガティブだったことにあります。最初は、どうせダメだとか芸人は意味のない経験だとか言うことがあったのですが、それを言わなくなっていきました。自分に自信が持てるようになったことで、発言が変わっていったように思います

内藤さん:ありがとうございます。面接で話す内容は、自分の中でかなり精査しました。受ける会社ごとに自分の長所短所、その会社でなければならない理由を考えて書き出し、何度も見直してブラッシュアップをしました。時間はたっぷりあったので、そればかりずっと考えてやっていました。

杉山:内藤さんの強みとしてコミュニケーション力以外の武器を一緒に考えました。芸人さん時代にTikTokのフォロワー数を増やすことをやられていたのですが、どうやって増やして いったのかを図で表してもらいました。

内藤さん:最初に考えた志望動機や強みが抽象的でありきたりなものでした。そこで、これまで自分が芸人として培ってきたことを、どう会社に再現性を持って貢献できるのかを考えるようになり、SNSのフォロワー数を増やすことをがんばっていたなと思い、周りと差別化するために資料を作って面接に持っていきました。これを出してダメだったら、もう縁がなかったと思えるまでやり切ったという感覚がありました。

「自分で自分の価値を下げるな」 的確なアドバイスが心の支えに


― Step1〜6を経て、自分の中で変化したことはありましたか?

内藤さん:自分が考えていることを言語化できるようになったことが一番大きいです。自分の長所や短所も理解できたし、それを相手にしっかりと伝えられるになりました。頭の中で考えている人は多いと思うのですが、それを言語化するという作業が、Step1〜6を経たからこそできるようになったのかなと思います。

― 転職支援を受けてみて、どんなところが良かったと思いますか?

内藤さん:とにかく面接対策が手厚いところがすごいなと思いました。受ける会社全部に面接対策をやりました。10社受けるとしたら10社分の面接対策をやります。そこは、普通の転職エージェントでは考えらない密度だと思います。また、必ず面接前に杉山さんがエールを送ってくださり、落ち着いて受けることができました。実は、一般の転職エージェントにも登録してみたのですが、書類が通らないしここまでのサポートはありませんでした。

― 特に印象に残っているアドバイスはありますか?

内藤さん:中北さんに、「自分の価値を自分で下げるな」と言われたことです。それを言われてハッとして、社会人経験がないことに対して間違った謙虚の仕方をしていたことに気づきました。自分の価値を下げて言うことが「謙虚」だと思っていたふしがあったのですが、それでは自分で自分の市場価値を下げてしまいます。そこに気づかされたことは非常に大きかったです。また、杉山さんには、ずっと面接の練習に付き合っていただき実践的なアドバイスをいくつかいただきました。その中で「自分の長所や得意なことを話すと熱量が増す」というアドバイスや、「明るくするのは表情だけではなく、話す内容も大事」と言われたこともとても大きかったです。

 

芸人は自分が思っている以上に能力がある人が多い


― 内藤さんが企業に転職する上で、一番苦労した点はどんなことでしたか?

内藤さん:転職活動においては「熱量」を持つという点です。お笑い芸人として活躍することを目指してきた人生だったので、この会社に入って自分に何ができるのかという部分に、熱量や自信を持てるようになるまでは時間がかかったと思います。

― 芸人としての経験が今の仕事に活かされていると感じること、逆に苦労したことはありますか?

内藤さん:芸人時代から興味を持ってやっていたSNSで、どうやって広めるかといったマーケティングやコンサルティングの部分は、今の仕事に活かせています。一方で苦労というか、一般の人が持つ芸人のイメージとして明るくてギャグを言うと思っている人が多いので、自分の印象とのギャップが大きく、最初は結構戸惑いました。

― 転職を考えている元芸人の方々へメッセージをお願いします。

内藤さん:芸人は、自分が思っている以上に能力がある人が多いと思っています。スキルではなく、根本に持っている人間力の部分で、間違いなく誰よりも考えてきたし、誰よりも空気を読んできた力はあると思っています。芸人として売れるために努力してきた経験があるのであれば、転職活動や企業に入ってからも同じことをやるだけだと思っています。悩んでいるくらいなら、新しいチャレンジだと思って転職した方が、僕は絶対に良いと思います 。その際、個人的にアルバイト先にそのまま就職したり知り合いの紹介で働くよりも、心機一転新たな企業への転職にチャレンジすることをお勧めします。その方が、僕は自分の新しい可能性が開けると思っています。

 

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