インタビュー
株式会社グッドパッチ様 マネジャー・リーダー層向け「お笑いのトーク理論に学ぶコミュニケーション研修 最高のチームのつくり手になる」事例のご紹介
○株式会社グッドパッチ様
https://goodpatch.com/
株式会社グッドパッチ
代表取締役社長兼CEO
土屋 尚史様(上記写真:右)
経営企画室 マネージャー
柳沢 和徹様(上記写真:左)
株式会社 俺
代表取締役社長
中北 朋宏(上記写真:中央)
[会社プロフィール]
2011年設立。「デザインの力を証明する」をミッションに掲げ、UI/UX領域に特化したデザイン会社として、様々なスタートアップや企業のプロジェクトにデザイン戦略フェーズから関わり、数多くの実績を残している。デザインという、スケールが難しいとされる領域で日本だけではなくベルリンやパリなどグローバルにオフィスを展開し、現在は、100名を越えるデザイン組織となっている。日本を代表するUI/UXデザインのリーディングカンパニーとして、デザインから世界に新たな価値を生み出すことを目指している。
[導入サービス]
・お笑いのトーク理論に学ぶコミュニケーション研修
最高のチームのつくり手になる
[実施概要]
現場の主力層となる次世代リーダー(管理職手前)10数名を対象に、職場のコミュニケーション活性化を目指し、お笑いを取り入れたコミュニケーション研修を実施。
お笑いを学ぶことは、イノベーションを起こすことにつながる
― 本日はどうぞよろしくお願いいたします。今回、なぜ、お笑いを取り入れた研修を導入しようと思いましたか?実施するきっかけ、背景などをお聞かせください。
柳沢様:社内のコミュニケーションには長らく課題があります。 改善に向かっている途中ではあるものの、ミドルマネージャーの数が不足していたり会社の成長に組織づくりが追いつかずにハレーションが起きたりしたこともあり、もう少しコミュニケーションを良くすることで、会社の雰囲気も良くなると思っていました。ちょうど、そんなタイミングで、共通の知り合いから中北さんをご紹介いただき、お笑いという普通の切り口とは違うコミュニケーション研修があると知りました。これはおもしろそうだなと思い実施することになりました。
土屋様:柳沢に、お笑いを取り入れたコミュニケーション研修を実施したいと相談を受け、打合せの場を設けてもらい中北さんに初めてお会いしました。ご紹介いただいたコンテンツが相当作り込まれており、お笑いを因数分解したり、 根拠をつけて説明するとこんなに分かりやすいんだなと感心して導入することに賛成しました。
― 実際、実施してみていかがでしたでしょうか? 印象に残っているワークや、効果がありそうなワークはありましたか?
柳沢様:どのワークがというよりも、総じてとてもおもしろかったですね(笑)。印象に残っているものはたくさんあるのですが、「いじる=相手を肩車してかついであげる」という意味があるという話や、互いを褒め合うワークは特に覚えています。受講者の中には、褒め合いのワークでもらった付箋の内容が嬉しくて、研修の後も机に貼っている人もいます。分かりやすく、効果が実感できるワークだったなと思います。
― ありがとうございます。実施後、受講者に変化はありましたか?
柳沢様:そうですね、フィードバックや伝えるべきことを言いやすくなったりとか、マネージャーもすごく指示を出しやすくなったと思っています。
こういうことはしちゃいけない、なぜダメなのか、どうしてこういう構造に陥っているのか、相手がどう思うのか、みたいなことってあまり明文化されていないことが多いじゃないですか。
例えば、場を盛り上げようと思って誰かを「いじる」ことが結局ただの悪口みたいになってあまりいい効果を生まなかったりすることってあると思うんですけど、今回の研修でプロの芸人さんがやっている「いじる」とはどういうことかが論理的に説明されることでメンバー間の共通認識が作れたのではないかと思っています。
ビジネスに「遊び心」と「笑い」は必要
― 今回、マネージャーになる手前の層をこの研修の受講者として選定した理由は何ですか?
柳沢様:現場の主力メンバーであり、スキルも高いので、社内で影響力があります。この層のコミュニケーション力が磨かれることで、良い方の影響が強まり、会社全体に対しても波及効果が期待できると思いました。これまで、マネージャー向けや新入社員向けの研修は実施してきているのですが、メンバー層は後回しになってしまうことが多かったので、今回はこの層を対象に実施してみたいと思いました。すごく良い機会になったと思っています。
土屋様:メンバー間のコミュニケーションというのは一番重要ですからね。またクライアントの対応も多いメンバーなので、対クライアントという視点でも、彼らがコミュニケーションスキルを学ぶということは、かなりプラスの面が多いかなと思います。
実は、弊社に過去パフォーマンスが高い UX デザイナー兼プロジェクトマネージャーがいたんですが、彼は元お笑い芸人なんです。今は起業して独立していますが、コミュニケーションがすごく上手くて、めちゃくちゃパフォーマンスを出しました。クライアントとチームをつなげ、クライアントも巻き込んだチームビルディングをしてプロジェクトを推進していく役割だったのですが、彼はデザインの経験が何もなかったにも関わらずクライアントの信頼もチームの信頼も一番集めていました。彼がいるから一緒に仕事したいと言われるようなタイプですね。彼のような人材と一緒に働いて、私も社内の他のメンバーもコミュニケーション力が仕事にインパクトを与えることを理解していました。今回のお笑いのエッセンスが入った研修には、そんな人材を増やしていけたらという期待もありました。
― 職場の中で「笑い」は必要だと思いますか?
土屋様:必要ですね。グッドパッチは、会社の行動指針であるバリューの中に、「こだわりと遊び心を持つ」と言う項目があり、「遊び心」を明示的に重要視しています。
それはどんなものでもOKで、普段の仕事の中に取り入れても良いし、プロジェクトの中にも入れても良いと思っています。「遊び心」に関しては特に私が思い入れを持っていることもあり、会社の代表として自ら体現していきたいと思っています。
これまで私がプロダクトオーナーを務めたプロダクトの中には、ちょっとした遊び心を入れています。例えば、弊社が開発・提供しているプロトタイピングツール「Prott」というサービスの中には、ある操作をするとモデルの腕毛が濃くなるなどの仕掛けが隠されているんです。
機能上は必ずしも必要でないとしても、ちょっとした遊び心を含んだ表現を通じてユーザーが親近感を感じ、結果としてファンを増やしているサービスはたくさんありますし、それこそが私たちが生み出していきたいものでもあります。
柳沢様:私も必要だと思っています。会話の中にネタを挟んでくれる人って、それが仮にウケなくても「あなたと仲良くしたいです」って自分から両手を開いて近寄ってきてる感覚があるじゃないですか。相手が歩み寄ってきてくれる感覚があると、自分も安心できますし、コミュニケーションも絶対良くなると思っています。
土屋様:私たちはデザイン会社としてUX デザインや UI デザインなどにいち早く取り組んでいる会社でもあるので、ちょっとクールな印象を持たれてしまうところがあるんですね。会社のブランディング的にはそれで良いのですが、私個人としては、外見はクールだけれども、中の人に触れたらめっちゃおもろいなというのが本当は欲しいんです。 外見はクールでかっこいい、だけど中の人と話したらめっちゃハートウォーミングみたいな(笑)。いわゆるキャップが重要かなと思っています。 そういうメンバーがいる会社でありたいし、もっと社内中でボケとツッコミとか、笑いがあっても良いと思っています。
コミュニケーションもデザインが可能
― 本研修をお勧めするとしたら、どんな対象にお勧めしたいですか?
柳沢様:若手をはじめ社内のたくさんのメンバーと1on1で話したりするんですが、誰だって言えるならおもしろいこと言いたいし、コミュニケーションスキルを上げたいと思っていると思います。ただ、おもしろくする自信がなかったり、周りの空気が気になったり、いきなりキャラを変えるのも勇気がいるみたいな感じで、なかなか一歩を踏み出せない人が多いのも事実だと思います。そんな風に、雰囲気を良くするコミュニケーションをしたいけどどうやったらいいかわからない、という悩みを持っている人たちにとっては具体的に引き出しを増やす良い機会になると思います。
土屋様:コミュニケーションがうまくいくことで大きな効果を得られるのはやはり上司と部下の関係だと思います。他にも、違う部署とか違う職種、違う価値観の人たちが協業している仕事など、立場や役割の違いですれ違いが起きやすいところを対象にすると良いかもしれないですね。
― 今後、どんな組織づくりを目指していきたいですか?
土屋様: お笑いの考え方と、イノベーションを起こす考え方には共通点があると思っています。今回の研修の中にもありましたが、これがメインストリームなんだけれど、そこを理解しながら敢えて外していくみたいな考え方は、すごく似ているなと。なので、「お笑いを学ぶ」ことは、イノベーションにもつながると思っています。 他とは違う考え方とか、やり方を生み出していけるような人材をもっと増やしたいですね。
柳沢様:これからのビジネスの展望を考えると、締めるところは締めざるを得ないと思っていますが、堅苦しい会社にしたいわけではなく、自由と責任のバランスの中で互いに信頼し合える組織になりたいと思っています。コミュニケーションもデザインすることが可能だと思っていて、相手がどう感じるか、何を求めているか、など相手の気持ちや課題を考えることからそのプロセスが始まります。弊社はデザインの会社ですから、コミュニケーションにおいてもデザインの力を活かし、お互いを高め合える人たちを増やしていきたいなと思っています。
― 本日は、貴重なお話をお伺いさせていただき、ありがとうございました。