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株式会社イトーキ 様「笑顔が溢れる職場を創る・コメディケーション術」事例のご紹介

株式会社イトーキ 様
https://www.itoki.jp/

[会社プロフィール]
1890年に伊藤喜商店として創業。「空間」「環境」「場」づくりを通じて「人も活き活き、地球も生き生き」した社会を実現することをめざし、常に時代の先端を切り拓き新しい事業に挑戦し続けている。2018年秋には、『明日の「働く」を、デザインする。』をミッションに掲げ、イトーキ自らの「働く」を変革し、新たな価値を創造するため、新本社オフィス「ITOKI TOKYO XORK」を日本橋に開設。「自由」と「自律」の両立をキーワードに、一人ひとりが自らの働き方を自律的にデザインする新しい働き方に挑戦。働く人々の健康増進、働きがいや幸福度の上昇など、従来の枠にとどまらずお客様や社会全体の喜びへと貢献している。

[導入サービス]
・笑顔が溢れる職場を創る コメディケーション術

[実施概要]
自社のコミュニケーション活性化と、お客様に提供する働き方改革ソリューションの体感を目的として、若手社員から管理職まで約20名に対して「笑顔が溢れる職場を創る コメディケーション術」を実施。

[スピーカー]
株式会社イトーキ
商品開発本部
ソリューション開発統括部
部長
八木 佳子様 (上記写真:中央)

株式会社イトーキ
マーケティング本部
ソリューション開発統括部
高原 良様 (上記写真:左)

株式会社 俺
代表取締役社長
中北 朋宏

「楽しい感情で働く」ということを、働くすべての人に知ってもらいたい


ー 本日はどうぞよろしくお願いいたします。今回、なぜ「笑顔が溢れる職場を創る コメディケーション術」を実施しようと思いましたか? 実施するきっかけや、背景についてお聞かせください。

八木様:背景は大きく2つあります。まず1つ目は、弊社のお客様に提供する「働き方改革」のソリューションとして、私達が持っていないコミュニケーションを良くするというコンテンツに純粋に興味を持ったことです。コミュニケーションを良くする手法は他にも様々あると思うのですが、「お笑い」の技術を活用するという点に惹かれ、これをお客様に提供してみたいと思いました。そのためには、まず自分達が内容を理解する必要があるので、今回実施させていただきました。
2つ目が、このオフィス(中央区月島)には、企画・開発部門とデザインや設計をする部門とが分かれて入っています。どうしても部門間のコミュニケーションが少なくなりがちなので、これを機会にこのオフィス自体のコミュニケーションを活性化したいという想いもありました。

高原様:お客様に提供するものとして「働く人がどれだけ盛り上がれるか」が、働き方改革の肝になっていると思うので、その肝にグッと刺さるコンテンツだなと思いました。「お笑い」という方法論的な新しさも感じましたし、働き手から見た時、より自分事として捉えやすく自発的に楽しく取り組むことができて、効果も高いのではと思いました。
また、私は一緒に仕事をする上で、一緒に笑える人かどうかという点も大事にしています。中北さんとは、一緒に笑える人であり「楽しい職場環境をつくる」という同じ方向を目指している人だと感じました。非常にまじめにこの技術(コメディケーション)を追究されていて、温度感も合うなと思ったので今回お願いさせていただきました。

ー ありがとうございます。このワークショップを通じて働き手である自社の社員やお客様にどうなってもらうことを期待しましたか?

八木様:私達の部門は、結構まじめな人が多くコミュニケーションに苦手意識を持っている人もいます。他の部門と比べると気軽な会話が少ないと感じていたので、もっと普段からいろんな会話や雑談ができるような環境をつくりたいなと思いました。
また、開発という職種柄正解がないものを決めていく中で、どうしても意見が対立することがあります。様々な立場から、様々な視点の意見が出ることは良いのですが、険悪になることなく良い雰囲気で健全な議論と意志決定ができる状況をつくれたら良いなと思いました。

高原様:知的生産性の向上など組織論も大事ですが、私は「楽しい感情で働く」ということが、すべての職場環境に根幹として必要だと思っています。職場の中ではいろんな歯車が回っていて、笑顔溢れる状態というのが潤滑油となって、その歯車はうまく回ると思っています。「楽しい感情で働く」ということをもっとみんなに持ってもらいたいと思っています。おもしろおかしいことをベースにしながらも、仕事は真剣にやる。そして、それがすごく良い成果につながるという状態をつくりたいと思いました。

自分から「笑う」ことで、場の雰囲気は明るく変わる


ー 実際に実施してみていかがでしたでしょうか?率直な感想をお聞かせください。

八木様:楽しかったですね(笑)。参加者として、シンプルにそう感じました。ワークが実践的で具体的だったので、実際にやってみよう、こんな風に変えてみようというイメージが持てた点がすごく良かったです。
実施が年末ですごく忙しい時期だったのですが、この時期にしてはとても参加率が高かく意外なメンバーが参加してくれたということが印象的でした。当初は参加率が低いと思い、直接管理職の方々にメンバーをアサインしてもらえないかと声をかけました。すると、管理職自身から「私が参加しても良いのか?」と言われたり、本当は参加したかったが日程が合わなかったという声も多く聞きましたね。

高原様:笑いのメカニズムやテクニックがシンプルに体系化されていたため、非常にわかりやすく日常の中で実践活用できる要素がたくさんありました。今回若手から管理職、外国籍の社員など約20名の方に受講いただきましたが、普段あまりこういったイベントに参加する機会が少ない方も参加していたので、「珍しいですね」と声をかけたところ、実はコミュニケーションに悩んでいるとおっしゃっていました。普段からコミュニケーションに課題を感じている人や学びたい人にとって、とても役立つ内容だったこともあり満足度も大変高かったです。私含めた参加者は、ビジネススキルとしてこれが必要なんだという意識を持ち、職場でどう活用するかという視点で楽しく真剣に受講できたと思います。

ー ありがとうございます。特に印象に残っているワークや、やって良かったワークはありましたか?

八木様:私は普段あまりおもしろいタイプではないのですが、大喜利でお坊さんの写真からどんなことを言うと笑いが生まれるかというワークで、私が出した意見がグループのメンバーに受けたんですよね(笑)。教わったことをそのまま活用しただけなのですが、こんな私でも笑いが取れるのだと思いとても印象に残っています。他には、言い換えるワーク(イジる技術)ですかね。同じことを言うにしても、相手を傷つけるのではなく、笑いを交えて伝えるというワークは、その場の雰囲気も伝わり方も全然違うものだなと感じたので、これは日常でさっそく実践しています。

高原様:私は笑いながらハイタッチするというワークがとても印象に残っています。最初にこういったワークをすると、チームで何かをやる時の「心理的安全性」がその場ですぐにつくられるなと思いました。一体感も出るし、フラットな関係性が築けた感じがして、その後のワークがとてもやりやすかったです。まずは、「笑ってみる」ということでポジティブな感情になれることを体感し、その感情を持ってワークショップに入れたということは、すごく意味があったなと思いました。

ー 若手から管理職まで様々な立場の方が参加されたとのことですが、実施後に受講者や職場に何か変化はありましたか?

八木様:私自身の話にはなりますが、エレベーターと給湯室で二人きりになったら必ず話しかけるというルールを決めて実際に行動し、会話の機会を増やしています。他には、「自分から笑う」ということを実践しています。ワークショップの中でも、自分が笑えば相手も笑うという法則があったので、会議の場などでなるべく自分から笑うようにしています。そうすると、その場の雰囲気が明るくなるんですよね(笑)。自分の表情が、その場に与えていた影響は大きかったんだなと改めて感じました。

高原様:私は具体的なアクションにまで落としていないのですが、日常的にだいぶ意識できるようになりました。参加した他のメンバーも、日々意識することを持ち帰れたと思いますし、実践している人もいると思います。このオフィスには130名程いるのですが、今回受講した20名がワークショップで得た知識やノウハウをシェアする機会をつくり、職場全体に広めていければもっと職場の雰囲気は変わってくるのかなと思っています。

社員の「笑顔」は、職場の総合指標


ー 自社やお客様の職場に「笑い」は必要だと思いますか?

八木様:直観的にも大事だと思っていますし、データでも「笑い」のあるオフィスや、職場で笑う機会がある人はパフォーマンスが高いということが数字でも出ていますので、「笑い」は必要だと思っています。(https://from-players.jp/lab/orexfromplayers.html

高原様:私は良いオフィスかどうかを見る総合指標として、「笑顔」をすごく大事にしています。表情はその人のフィジカルやメンタルな部分も含めて、総合的な状態が表れる箇所だと思っています。「笑顔」という状態は、そのどちらも良い状態で表れると思っています。自社の社員やお客様が、“笑顔である状態をつくる”ことが最終的にとても重要だと思っています。

ー 本ワークショップをお勧めするとしたら、どんな組織(職種・業界)にお勧めしたいですか?

八木様:今やどんな職種や業界であってもイノベーションが求められる時代ですが、確実にお勧めしたいのは、イノベーションを起こすことを求められている職種の人です。答えがない、できるかどうかわからないことに挑戦するということは、実は精神的な負荷が大変大きいという実態があります。そういう人達は、努力してでもポジティブな状態をつくる必要性があると思っています。ネガティブな感情やコミュニケーション不足があると、なかなか良いアイディアは出ないのでお勧めしたいですね。

高原様:「忖度」というキーワードが流行りましたが、忖度してしまう雰囲気の職場環境が多く、本音で話せない、感情を押し殺しているという人が多いのかなと感じています。私は、感情ってすごく大事だと思っているので、そういった状況を打開するために、「笑う」という感情を出すことから始めるのが良いのではないかなと思っています。このような状態をつくるためには、まずは職場の周辺環境がとても大事ですので、その中心となる中間管理職の方々に受けて欲しいなと思います。
他には、エンゲージメントを向上したいという組織にはお勧めですね。社員のコミュニケーションが良くなれば、職場環境も変わるのでエンゲージメントの向上にも効果が高いのではないかと思います。

ー 今後、どんな組織(チーム)づくりを目指していきたいですか?

八木様:仕事のスピードも早く、多様な状況(介護や育児など)を抱えるメンバーも増える中、以前よりチームワークが必要になってきています。コミュニケーションをさらに良くしていくことで、信頼関係を高めメンバーがお互いにサポートし合い、安心してそれぞれの持ち味や強みを発揮しながら、有機的につながっていける組織をつくっていきたいなと思っています。

高原様:日本企業の多くは、まだまだトップダウンが強いと感じているのですが、これからは、働き手の“~したい”という気持ちと、会社の戦略がマッチするようなボトムアップの組織風土というのがとても重要になってくると思っています。要は働き手の熱量や、“~したい”という気持ちをどうやって引き上げていくかが大事で、そのために、チャレンジをする機会をつくり前向きに仕事に取り組める環境をつくっていきたいと思っています。

ー 本日は、お忙しい中貴重なお話をお伺いさせていただき、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

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