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ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 様「お客様の懐へ入るコメディケーションスキル」事例のご紹介

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 様
https://www.jnj.co.jp/

[会社プロフィール]
ジョンソン・エンド・ジョンソングループは、1961年に本格的に日本において事業活動をスタートさせる。創業以来、人々の「クオリティ・オブ・ライフ(QOL)」の向上を目指し、安全性の高い良質な製品とサービスの提供に、全力で取り組んでいる。世界最大の総合ヘルスケア企業として、一般消費者向け製品から、医療用医薬品、最先端の技術を利用した高度な医療機器に至る幅広い製品群は、世界の人々の健康を支えている。従業員数:2,345名。

[導入サービス]
・お客様の懐へ入るコメディケーションスキル 
 ~「ウケる」は最強のビジネススキルである~

[実施概要]
営業部の新入社員と2年目社員の約20名に対して、医師の懐に入るコミュニケーションスキルの向上を目的として「お客様の懐へ入るコメディケーションスキル」を実施。

[スピーカー]
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
トラウマ&ジョイント リコンストラクション事業部
エデュケーションソリューションズ
シニアマネジャー
栗原 大様 (写真左)

株式会社 俺
代表取締役社長
中北 朋宏

商談に必要なのは、ロジカルさではなく「笑い」である
~笑いは「アート」ではなく「サイエンス」~


ー 本日はどうぞよろしくお願いいたします。今回、なぜ自社の営業部の新入社員と2年目社員に、「お客様の懐へ入るコメディケーションスキル」を実施しようと思いましたか? 実施に至った背景についてお聞かせください。

栗原様:弊社は医療機器を販売しており、いわゆるお客様は医師となります。医師と商談をする時に、コミュケーションのキャッチボールがうまくできないと、そもそも商品の話まで辿り着くことができません。そこで、まずは医師と関係性を築くことが必須です。関係性を築くには、「懐に入る」コミュニケーション力がとても重要となってきます。
以前、中北さんのワークショップに参加した時に、「笑い」を科学していて、フリ・オチなど、笑いにアルゴリズムがあるということを知りました。また、中北さん自身が、単にお笑い芸人をやられていただけではなく、人事コンサルの経験もあって、かつ「笑い」を「サイエンス」しているという付加価値もあり、非常に魅力的だなと思ったことが、今回自社で実施するに至った大きなポイントとなります。

ー 「笑い」を「サイエンス」するという表現が、すごくおもしろいなと思ったのですが、具体的にどのように感じられたのでしょうか?

栗原様:最近ビジネス界でも、山口 周さんの『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』という本なども出ていますが、「お笑い」は、どちらかと言うと「アート」だと思っていました。お笑いという才能を持った人だけができる特別な能力だと思っていたのですが、その裏には緻密に体系化された論理や方法論がしっかりあると知ったので、それを「サイエンス」と呼ばせていただきました。

ー ありがとうございます。医師(お客様)との関係性を築くことがまずは大事であるとのことですが、新入社員に感じている課題はどのようなものが挙げられますか?

栗原様:入社して、営業で成果を出すタイプというのが、コミュニケーションが上手くて、この子おもしろいなと思われるタイプです。なぜかと言うと、そういうタイプは医師から好かれるからです。そういう人だけが、医師に好かれ売れていくという実態がありました。しかし、そうではないタイプも多い中で、医師とどの距離感で話したら良いのか、どうやって懐に入ったら良いのかがわからないと悩む人が多くいます。
これまで実施してきた導入時の社会人としての基礎を学ぶ研修だけでは、この問題を解決することは難しかったです。特に、医師は、ロジカルシンキングの頂点にいる人達が多いので、そういう人達と関係性を築いていくには、ロジカルさでは太刀打ちできない時もありますし、むしろ、その逆にいるようなタイプの人がコミュニケーションで深く入っていくことができて、売上にも結びついているというケースもありました。
また、医師の方々は非常にお忙しく時間がないため、なかなか話を聞いてもらえません。そういった医師の懐に入るということは、みなさんが思っている以上に、かなり難易度が高く、誰でも簡単にできることではない、ということが課題になります。

心理的安全性が瞬時に出来上がっていく様子が見られた


ー この研修を通じて新入社員・2年目社員にどうなってもらうことを期待しましたか?

栗原様:この仕事は、家と会社と病院の往復が大半を占めてきます。そうすると、どうしても視野が狭くなってしまい、時には、悪い方に考える場合もあります。実は、中北さんのような社外の人に研修をお願いしたのは、世の中にはお笑い芸人から転身して、新たな夢を追いかけている人がいたり、様々な生き方、働き方をしている人がいるということを知ってもらいたいと思ったからです。また、「笑い」といったエモーショナルな部分を学ぶことで、人としての幅を広げてほしいなと思いました。

ー 実際実施してみていかがでしたでしょうか? 率直な感想をお聞かせください。

栗原様:少なくとも一生忘れない研修になったのではないかと思います。社外講師を招いた研修ということもあり、インパクトを与えたいという想いがありましたが、それが実現できたと思っています。入社してすぐの研修というのは記憶に残りますし、なかなか中北さんのような方にはお会いできませんので(笑)。
今回出された“「ウケる」は最強のビジネススキルである”という本も、参加者全員に、あえて自分で購入してもらって、その本を持参してもらいました。あの時、研修でこんなワークをやったなと、後で読み返した時に振り返りに使ってもらえると思いました。
また、別の観点からおもしろい化学反応もありました。受講した新入社員が、上司に研修の報告書を提出するのですが、そこに“中北先生によるお客様の懐へ入るコメディケーションスキル研修”と書いてあると、思わず上司の目にもとまって、社内にどんどん広まっていったという事象がありました。そういう意味で、受講者だけではなく組織的なインパクトもあったと思っています。そういったインパクトも含めて、今回中北さんにお願いして良かったなと思っています。

ー ありがとうございます。印象に残っているワークや、やって良かったワークはありましたか?

栗原様:同じグループになった人同士は、普段から関係性ができているというわけでもなかったので、その中で大喜利のワークなどをやるのは、実は非常に難易度が高いと思っています。仲間内やお酒の席であれば、アイディアも出やすいのですが、こういった場ではより「心理的安全性」が必要だと思っていました。その心理的安全性の場が、瞬時に出来上がっていく過程を見られたことが、とてもおもしろかったですし印象に残っています
私は事前に、中北さんがいろんな人に質問を投げて、イジっていきながら場をつくっていくことを知っていたのですが、固く真面目なメンバーが多いので、どんな反応をするのか、外部の初対面の人にどれだけ対応できるのかなと思っていたのですが、意外とみんなすんなりと研修に入ってくれたなと感じました。イジられて喜んでいる人もいたり、思った以上に反応が良かったなと思いました。

過酷な仕事だからこそ、「笑い」は絶対に必要


ー 商談の場に「笑い」は必要だと思いますか?

栗原様:絶対に必要だと思っています。言い変えると、笑わせたら勝ちなんです。もちろん、営業として基本的なことができていて信頼があることが前提とはなりますが、商談の場でお互い笑い合う場面があるということは、医師との距離感がかなり縮まっている証拠であり、商談のKPIになると思っています。
我々の営業は、実は手術の現場に入ります。2時間から長くて5時間の手術に立ち会って、看護師さんに、安全適正使用のために、手術器械の指示を出したりします。顔はマスクで覆われているので、手術中は目だけでコミュニケーションを取ることになります。手術の現場は、緊迫した場面も多々ありますので、精神的にもかなり磨かれていきます。医療機器の営業という仕事は、なかなか過酷な一面があり、そういった意味でも、医師や看護師さんとのコミュニケーションに、「笑い」は必要だと思っています。

ー 今回、中北さんにお任せした一番の理由は何でしたか?

栗原様:3つ理由がありまして、まず1つ目が、ご自身の夢を今も追いかけているところです。2つ目は、先程お伝えしたことと重複しますが、お笑い芸人から人事コンサルの経験を経て、「笑い」をサイエンスされているという点です。私は、これまで研修講師の方をたくさん見て来ましたが、中北さんは、講師としてもライブ感があって、他にはなかなかいないタイプの良い講師だと思っています。
3つ目は、こういった本“「ウケる」は最強のビジネススキルである”を発売してテレビなどのメディアにも出演されていて、今ビジネスの現場でも「笑い」というテーマは旬なんじゃないかなと思ったことです。私は、ビジネス書オタクなので、数ページ見たら良い本かどうか判断できるのですが、この本は本当に過去にないオリジナリティがあって、実践活用できる内容だと思っています。

ー ありがとうございます。今後、どんな組織づくりを目指していきたいですか?

栗原様:少し大きな話になりますが、日本という国が今転換期にあると感じています。これまで、人材育成においても大量生産システムを取ってきたなと思っています。私が中学生だった90年代初頭の頃は、受験に勝てば良い暮らしができると言われていました。
しかし、私が大学生の頃に大手証券会社が潰れたり、大手銀行の大合併が行われました。2008年にはリーマンショックもあり、それから10年以上経った今、本当にこれで良かったのかなと。目の前にある仕事を、ただ闇雲にやることに疑問を持ち始めている人が増えているのではないかと思っています。ハーバードのビジネスレビューなどの今年のテーマを見ていると、オーセンティック・リーダーシップや、ウェルビーイング、マインドフルネスといったキーワードが目立ちます。これまでの競争社会に対する大きな反省があって、幸福度を高める方向に時代が向かっていると思っています。
「笑い」は幸福度を高めますし、働く人がイキイキワクワクと、日曜の夜も憂鬱にならないような組織をつくっていきたいと思っています。

ー 本日は、貴重なお話をお伺いさせて頂き、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

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